APとCoJの強さ、試合回数について

よく議論になるAPとCoJの強さ、また試合回数の話題について自分の考えをまとめてみました。

 
 

ゲームの強さ

CoJに限らず、ありとあらゆるゲームにおける強さの一つは周りの人よりも高い勝率を出せるということでしょう。
ゲームによって運要素のウェイトが異なるので、絶対的にこのくらいの勝率が出せる人が強い!とは言い切れません。運要素があるゲームでは、あくまでも周りの人より優れているということが指標になります。
 
CoJもこの例に漏れず、周りの人よりも高い勝率を出せることが強さと言えるでしょうから、強さ=勝率と考えてよさそうです。
 
人によっては大会での強さこそ本当の実力だ!という人もいるかもしれませんが、今回はAPや全国対戦をこなす数と強さの関連を見たいのでひとまずそういった他の強さの定義についての議論は置いておきます。
 
 

APと勝率、試合回数 -回数で勝率を賄えるシステム-

APと実力・試合回数との関係を考えてみましょう。先に定義した通り、ここでいう実力とは勝率の高さを指します。
 
APの増加量は勝率だけでなく、試合数とDOBの3つによって左右されます。
当たり前のことですが、7割以上の勝率の人よりもDOBがSデッキで5割の勝率を出している人の方が同じ試合数でもAPの増え方は大きいということはありえますし、勝率・DOBともにそこそこだったとしても回数さえやれば、他の人よりも結果的にAPが増加していることもあります。
 
勝率に関しては査定的にマイナスにならない程度の高さが最低限必要ですが、基本的には勝率・試合数・DOBのどれか1つが高い数値ならばAPは増えますね。したがって、勝率やDOBが低かったとしても回数さえやればしっかりAPを増やせるのです。
 
この理論上は、最低勝率さえ上回っていれば試合数をとにかくやるだけで誰しもQランクにでもKランクにでもなれる訳です。
また、APは増やしてしまえばどうやって稼いだか、などということは一切分かりません。高勝率で3000APを稼ごうが、勝率4~5割で50試合ほどやって3000APを稼ごうが、APランキング上では一切差が出ませんよね。
 
 
こうした事実から、「回数さえやれば誰でもランカーになれる」「一部のランカーは回数だけでAPを増やしているから下手くそ」という人がいますが、これは本当に正しいのでしょうか?以下ではこの論について考えてみます。
 

ランカーに必要なもの

 
まず、「回数さえやれば誰でもランカーになれる」という論について考えます。
この論自体は上で確認したように理論上は否定できません。しかし、そこから派生してランカーなんて別にすごい存在ではない、ランカーと自分には大した差がないといった論は間違っていると思います。
 
ここでは試しに勝率は大したことないプレイヤーが、とにかく試合数をこなしてランカーになることを考えます。
このとき、どんなものが必要になってくるでしょうか?
 
APをしっかり増やせるだけの最低勝率が出せるデッキレシピ、プレイスキル、集中力。これは間違いなく必要でしょう。加えて、回数をやるとなれば普通は何期間にもわたって連続してプレイすることが必要になりますから、時間が経つとともに環境が変化したときに対応できる力、また連続してプレイするための集中力、時間とお金の確保、モチベーションの維持、体力や根気も必須です。
 
 
こうして何万というAPを増やしてやっとランキングに入れたとしても、順位を維持するとなれば上のことを何カ月も維持してプレイすることが必須です。モチベーションの上がらない時期、生活の都合上プレイできない時期が出来てしまったら、その期間をプレイしなくても100位以内をキープできるだけの貯金が必要になります。もしAPを増やせるだけの最低勝率をキープできないような環境が来てしまえば回数をやるだけではどうしようもありませんから、また貯金を作っておくかそこそこの勝率を出すことが必要になる場合もあるでしょう。
 
 
「試合数をこなしてランカーになり、それを維持する」という行為には、実際のところこれだけのものが要求されます。
これらの要素を考慮してもランカーを維持している人が大したことないなどと言えるでしょうか。ましてや、ランカーになんて誰にでもなれるなどといいながら、こうした苦労を実際に経験したことのない人と同列に扱うことなどできないのではないのでしょうか。
 

ゲームは試合数を通して強くなる

次に「一部のランカーは回数だけでAPを増やしているから下手くそ」という発言。これは明らかに間違っています。既に上の話の中をみただけでも下手くそではランカーを維持することは難しいということは分かると思います。
 
またそれに加えていかなるゲームであっても試合数をやることは勝率の向上に間違いなく繋がります。プレイすればするだけ上手くなるという当たり前のことですね。
 
CoJであればデッキを実際に回してみて、色々な相手と対戦することで段々とそのデッキのプレイングは洗練されていきます。構築時点では気づかなかったシナジーの発見、先行時と後攻時のプレイの差、マッチアップごとの立ち回りなど、プレイすることによってしか得られない知識がどんどん身についていくためです。普通はどうすればより勝てるかを考えながらプレイをするため、回数をこなせばこなすほど勝利に必要な知識は増加していくでしょうし、自分がしやすいミスプレイや環境への理解も深まります。
 
逆に言えば試合数をこなしていないということはまだ得ていない知識が多いということと同義です。常に高い勝率を出そうとすれば色々なデッキを使って、色々なデッキを相手にできることが必要ですから、知識は多ければ多いほど後々役に立ちます。
例えば、アリアン珍獣でのプレイングは昔流行った追い風毘沙門のプレイング知識が応用できる部分があるでしょうし、最近は強力な環境デッキとして存在している赤のトリガーロストデッキはずいぶん前の環境から使う人は使っていました。このように以前の環境で使っていたデッキの知識が今いかされるということはいくらでもあるのです。
 

まとめ

確かにAPは勝率の高さだけを反映しているわけではありません。しかし、試合回数をとにかくこなせば下手くそでもランカーになれる!俺でもランカーになれるはずだしランカーは大したことない!と言いたくなる気持ちは分かりますが多くの場合それらは間違っていると思います。

 

勉強やスポーツと同じですよね。学習時間・練習時間を増やしさえすれば、とにかく時間さえかければ成績は上がるし上達もするだろうから俺は本気を出せばいつでもトップ層に追いつける、なんて言ってる人がみなさんの中高時代にもいたのではないでしょうか。

実際にその人たちが努力してトップ層に到達することも、ましてやその位置をキープすることも、ほとんどないように思います。本気を出せば行けると言いながら本気を出さないのはその人が怠惰であったり本気を出しても大したことなかったりするからなんじゃないかと思います。それでも本気を出せば~と言ってしまえるのは、実際にトップの位置をキープする大変さを考えてもいないからでしょう。

 

CoJも同じです。

回数をやれば確かに高ランクになれるかもしれないしランキング入りもできるかもしれません。しかし本当にその回数をこなすことができるのでしょうか?時間やお金を投資して、見返りがしっかり帰ってくるかわからない、APがあまり効率的に増えなければモチベーションも下がるかもしれない状況で、「回数をこなすだけ」のことができるのでしょうか?

そして回数をやれたとして、それをキープする力があるでしょうか?周りのランカーに負けないようAPをコンスタントに増やし続けることができるでしょうか?

 

もう一度APというシステムを考えてみて、そのなかでの自分の成績を見直してみるのもいいのではないでしょうか。